スルーホールアップ性の改善について

ポイントはんだ付けでは、はんだ付け時に供給される絶対熱量が少ないため、熱容量の大きい部品、パターンへの熱量供給がディップ時間内で間に合わないケースが発生します。
そのような中でも、はんだ付けにおける品質面でスルーホールアップの改善が求められるケースが多いと思います。

条件を改善していく方法としては、
・はんだ温度を高く設定する。
・ディップ時間を長くする。
・予熱温度を高く設定する。
・予熱時間を長くする。 等、
熱に関する改善方法を試す事が多いのではないでしょうか。
しかし、限られたサイクルタイムの中での品質向上はかなり困難で、それだけでは改善できない場合が発生してきます。

そこで一度見直してほしい所がフラックスの塗布方式にあります。

例えば、手塗りでフラックスを塗っている場合、きちんとスルーホール内にフラックスが十分に充填されているか。
基板だけでなくリード自体に塗られているか。
部品を挿入してからフラックスを塗布する場合、これらの基本的なことができていないケースが見受けられます。
フラックスがない場所にはんだは濡れ上がりにくくなっています。

特に、鉛フリー対応部品で、リードの材質がNiベース、黄銅ベースの場合、フラックスによっては濡れスピードが非常に遅く、はんだ付時間内では濡れない状態になっています。

これらの状態から、まず、「フラックスがあること」そして、「できるだけフラックスの活性力を上げること」が必要条件になります。

その為には、「スルーホール内にきちんとフラックスを塗布する」、「予熱をかけて、フラックスを活性化する」ことが必要です。工程が増える為これらを省略してはんだ付けしている場合もあるかと思いますが、スルーホールが上がらないと修正も難しいため、きちんとした工程管理がまず必要になります。

フラックスの塗り方で品質を上げる手段として、スプレーフラクサーを使ってみると効果があります。特にスイング式よりもプログラム方式を使用し、スルーホール部にきちんと狙ってスプレーで塗布すると、スルーホールの上がりが改善される上、コネクタなどへのフラックス滲み上がりも発生しにくく、安定した品質で生産できます。


それでも効果がない場合はフラックスの再選定も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
低温活性と濡れ性を向上させたフラックス等試してみる価値はあるかと思います。