スルーホールアップ性の改善について
局所等のポイントはんだ付けでははんだ付け時に供給される絶対熱量が少ない為、
熱容量の大きい部品やパターンへの熱量供給がディップ時間内で間に合わないケースが発生します。
そのような中でも、現代のはんだ付けにおける品質面では、
スルーホールアップの改善が求められるケースが多いと思います。
●はんだ温度を高く設定する。
●ディップ時間を長くする。
●予熱温度を高く設定する。
●予熱時間を長くする。
以上のように、熱に関する改善方法を試す事が多いのではないでしょうか。
しかし、限られたサイクルタイムの中での品質向上はかなり困難で、
それだけでは改善できない場合が発生してきます。
そこで一度見直して欲しい【フラックスの塗布方法】
例えば、
手塗りでフラックスを塗っている場合、
きちんとスルーホール内にフラックスが十分に充填されているか。
基板だけでなくリード自体に塗られているか。
部品を挿入してからフラックスを塗布する場合、
これらの基本的なことができていないケースが見受けられます。
フラックスがない場所にはんだは濡れ上がりにくくなっています。
特に鉛フリー対応部品で、リードの材質がNiベース・黄銅ベースの場合、
フラックスによっては濡れスピードが非常に遅く、はんだ付時間内では濡れない状態になっています。
●フラックスが十分にある事。
●フラックスを活性化させる。
上記ポイントをクリアするには?
スルーホール内にきちんとフラックスを塗布する
予熱をかけて、フラックスを活性化する
以上のポイントは工程が増える為、省略してはんだ付けしている場合もあるかと思いますが、
スルーホールが上がらないと修正も難しいため、きちんとした工程管理が必要になります。
そこでフラックスの塗り方で品質を上げる手段として、
スプレーフラクサーを使ってみると効果があります。
特にスイング式よりもプログラム方式を使用し、
スルーホール部にきちんと狙ってスプレーで塗布する事で、
スルーホールの上がりが改善される上、
コネクタなどへのフラックス滲み上がりも発生しにくく、安定した品質で生産できます。
それでも効果がない場合はフラックスの再選定も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
低温活性と濡れ性を向上させたフラックス等試してみる価値はあるかと思います。
その際はぜひ弊社までご相談ください。