フラックスとは、その作用と必要性
はんだ付けにおけるフラックスとは。
フラックスとは実装技術(はんだ付け技術)の基礎知識でも4大要素にとりあげるくらい、
はんだ付けに必要不可欠と言っていいほど重要な材料となっています。
フラックスで最も重要な成分はヤニ(樹脂、またはロジン)で、酸性の物質になっています。
これを塗布する事で基板や部品にある見えない酸化膜を取り除き、金属を結合しやすくしています。
また、フラックスはIPA溶剤に溶けた状態で通常目にされるかと思います。
その理由として、フラックス中には、樹脂、活性剤、添加剤などの成分が含まれていますが、
これらの成分を安定した状態で保持するには、
水分、酸素の影響を極力受けないようにすることが必要になってきます。
その為には、何かに溶解させて、酸素、水分と触れないようにすることが一番簡単です。
IPAは、樹脂、活性剤などが溶解できる上、揮発しやすく安価なので、最も使いやすいため、
溶剤として使われています。
唯一の問題は、IPAが吸湿しやすいため、高湿下に放置すると、
水分を含んで成分劣化を誘発するということです。
そのため使用期限があって、保管が大事ということがおわかりいただけると思います
予熱工程下でのフラックスの働き
ここまでははんだ付けに関するフラックスについて説明しましたが、
予熱工程でもフラックスは作用しています。こちらのグラフをご覧ください。
各温度域で違う作用をしているのが分かるかと思います。
これらの作用は良いはんだ付けを行う上で必ず必要な条件になっています。
予熱工程が部品だけでなくフラックス等にも影響を与える
重要な工程であるかがお分かりいただけるかと思います。
以上のようにフラックスは、
選定の仕方や扱い方で品質や工程に
大きく影響を与えてしまう材料のひとつになっているのです。