穴あき不良に対する対処方
穴あき不良とは、はんだ付けしたランド(フィレット)部に穴が開く現象です。
はんだに穴あきが発生すると接合部の強度が劣る為不濡れ等と同じように不良扱いとなる場合が多いです。
●リード径とスルーホール径の差が大きすぎる(クリアランスが大きすぎる)。
●予熱不足。
●フラックスが多すぎる。
●リード、ランドの酸化。
●リードとランドパターンの熱量差が大きい。
●ガス抜き穴が無い(はんだが流動しない)。
など、いくつか考えられます。
基板の設計上どうしても発生してしまう場合を除いて、
はんだ付けの工程内で対処できる内容を例に挙げてみます。
予熱不足が要因の理由
予熱不足が原因の理由としては、
基板が吸湿している場合に、その水分が影響して穴を開けてしまうところにあります。
その為、100℃以上で20sec程度の長めの予熱時間に設定する事でその水分が飛び改善される事があります。
もしくはベーキング処理が有効となる事もあります。
フラックス過多
フラックス塗布量が多すぎても穴あきが発生しやすくなります。
今までの記事をご覧の方はフラックスの塗布量が多い方が
品質が良くなるイメージをされているかと思いますが、
フラックスが多すぎるとはんだ付け時のフラックスガス発生量が多くなり、
リード穴内にとどまろうとする傾向があります。
この場合、穴あきになる前の段階(ボイド)となって穴が開いてしまいます。
この状態はX線などで確認することができますが、
穴あきと同様に強度不足の状態の為不良扱いとなる事が多いです。
この場合はフラックスを適量の最小限まで減らすと改善されることがあります。
母体の酸化
被対象物が酸化している場合ははんだの濡れ性が悪い状態にある為、穴あきが発生しやすくなっています。
部品や基板の管理はもちろん、工程の順番や種類によって影響している場合もあります。
挿入実装の場合、前工程にリフローで部品をはんだ付けされている場合が多いかと思います。
はんだ付け工程をいくつか終えた基板は酸化している場合も多く、条件が厳しい状態にあります。
前工程を見直す事も視野に入れてもいいのかもしれません。
はんだ付けの条件
また、予熱時間だけでなくディップ時間も長めにとる事で、
基板と部品の温度差をなくして改善されることもあります。
さらにはんだの流速を上げて、ガスが抜けやすい状態を作ることも重要になってきます。
はんだ付けをする中で噴流タイプのはんだ装置は、
操作調整する人の技術が求められるため、非常に奥が深く面白いのですが、
品質を維持、管理していくのは中々難しい所があります。
弊社装置は静止槽をベースとしている装置もあり、
従来のデメリットをなくし、誰でも管理しやすい仕様になっています。
是非概要をご覧ください。